抄録
街の雰囲気のちがいとは何かという探求から始めた本研究は、場の固有性の論理解明と景観デザインの実践を主な目的とする。街の雰囲気は、場の個性や特徴といったその場に固有な性質、すなわち場の固有性のことと定義できるように思う。2006年に「街の雰囲気のちがいとは何か」という疑問から研究を始め、筆者の生まれ育った街である東京と大阪、京都、そして北九州を比較調査した1。2013年から秋田2と金山町(山形)3、そして盛岡(岩手)4を調査した。2018年からタピオラ(フィンランド)の調査5を行い、2019年以降は京都で研究を続けている。テーマは3つあり、a.京都地域における建築と庭との関係、b.格子割都市の街並みのあり方、c.エネルギー供給の水系ネットワーク、についてである。本稿はa.とb.のテーマに関して行った「庭の実測」と「路地の調査」を報告する。次に、これから研究を深化させるc.のテーマについて述べる。