主催: 日本デザイン学会
会議名: 日本デザイン学会第72回研究発表大会
回次: 72
開催地: 札幌市立大学
開催日: 2025/06/27 - 2025/06/29
本研究では、イラストレーター「消極男子」を事例として取り上げ、ファンがブランド共感(perceived empathy)、フロー(flow experience)、およびブランド共鳴(brand resonance)との間に生じる心理的プロセスを検討した。調査方法としては量的な質問紙調査を用い、実際に「消極男子」のSNSアカウントをフォローしている186名のファンを対象にデータを収集し、パス解析を通じて変数間の関係性および媒介効果を検証した。分析結果によれば、ブランド共感がブランド共鳴に直接的な影響を与えることは確認されなかったが、フローを通じて有意な間接効果が存在することが示され、フローが完全媒介変数として機能していることが明らかとなった。本研究は、ブランド認同の形成におけるフローの重要な役割を実証するとともに、感情的共感と没入的設計を統合することが、ファンの参加意識とブランド価値の強化に資するとの実務的示唆を提示するものである。