主催: 日本デザイン学会
会議名: 日本デザイン学会第73回研究発表大会
回次: 73
開催地: 千葉工業大学 津田沼キャンパス
開催日: 2026/06/12 - 2026/06/14
本研究は、「すべての建築が長期的・均質的に存続する必要があるのか」という問いを起点に、形が変化し自然へと還る短時限的素材に着目し、誰もが建築行為に関与できる短時限型建築設計プロセスの提案を目的とする。短時限素材の一つ「のり」について素材実験を行い、扱いやすさや強度などについて整理し、それを基に、小学生を対象としたワークショップを実施し、構想から制作、空間体験に至る一連のプロセスにおける行動観察および主観評価を通じて、実現可能性等を検証した。その結果、短時限型建築は子どもたちでも主体的に建築行為へ関与し得ることが明らかとなった。また、完成物の恒久性よりも、つくる過程や関係性の生成に価値が見出されることが確認された。さらに、「企画・実験・建築・設営・消失」からなる循環的プロセスを提示し、消失を終点ではなく次の創造へ接続する契機として位置づけることで、専門家に限定されない建築のあり方と、人・場所・素材の関係性の再考に向けた新たな視座を示す。恒久性や永続性を前提に発展してきた今の建築と並存する“短時限型建築”の設計プロセスを示し、多くの人が建築を「つくれる」ものとして捉えられることを目指す。