主催: 日本デザイン学会
会議名: 日本デザイン学会第73回研究発表大会
回次: 73
開催地: 千葉工業大学 津田沼キャンパス
開催日: 2026/06/12 - 2026/06/14
近年、仮想空間でのコミュニケーションにおいてアバターの表情表現の重要性が高まっている。しかし、デスクトップベースのVR環境では解像度等の制約により微細な変化が伝わりにくい課題がある。本研究では、表情の「誇張」が感情伝達とユーザーの印象評価に与える影響を検証し、効果的な誇張強度を明らかにすることを目的とした。Unreal Engine 5とMetaHumanを用い、リアル調およびアニメ調の男女4種類のアバターを作成した。表情の誇張強度を1.0倍から1.9倍まで4段階に設定した動画を用意し、20代の男女24名を対象に視聴実験を行った。評価項目は感情認識の正答率、自然さ、親近感、読み取りやすさとした。
分析の結果、感情の読み取りやすさは誇張強度に比例して向上したが、自然さや親近感については1.3倍付近で評価が最大化し、それ以上の誇張は評価の低下を招くことが示された。この結果から、感情の明瞭さとユーザーの好感度は必ずしも一致せず、適切な誇張強度の設計が重要であることが明らかになった。本知見は、制約のあるディスプレイ環境におけるアバター設計の基礎的指針となる。