日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会第73回研究発表大会
セッションID: A-07-02
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コンセプチュアルなファッション展の行方
展覧会の実践から少し離れて
*小形 道正
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抄録

本発表では美術館で開催されるファッション展を「デザイナー/ブランド展」「歴史衣裳展」「コンセプチュアル展」の3つに整理し、とりわけコンセプチュアルな展覧会の現状と可能性を論じる。近年の「コンセプチュアル展」は大規模な収蔵を前提とする海外の美術館を中心に、たんなる衣服の展示にとどまらず、人間の心理や人種やジェンターなどの社会問題について問い直す。日本では「LOVEファッション――私を着がえるとき」展が挙げられ、本展では①人間の内なる欲望と②ファッションを展示する行為そのものへの問いという2つの意図を持って実践された。特にマネキンを用いない展示手法や、東京会場でのキャプションや解説の撤去など実験的な試みを行った。日本では「コンセプチュアル展」は依然少なく「デザイナー/ブランド展」が中心だが、それぞれの展覧会の意図を区別して理解する必要がある。財政的制約の中で「コンセプチュアル展」の実施は困難になりつつある。しかし、「なぜ人間は衣服を着るのか」という根源的問いを提示し、衣服と人間の関係について再考を促す点において「コンセプチュアル展」は研究、展覧会そして我々の生活に重要な示唆を与えてくれる。

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