日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会第73回研究発表大会
セッションID: A-07-03
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国民服における斎藤佳三のデザイン思想
『国民服の考案』と服飾デザインを手がかりに
*西 晃平
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抄録

本発表では、1940年に国家政策として取り組まれた国民服の制定に注目する。国民服は、懸賞によってデザインが募集された後、さまざまな被服協会関係者、国の執行機関、軍などが関与しながら制定に至った。そのため、国民服の制定において個人の明確な役割を抽出することは困難である。そこで本発表では、その取り組みの中で中心的な人物の一人として活動した斎藤佳三に着目し、彼の思想が国民服にいかに反映されているのかを、発表者がこれまで研究を進めてきた1930年代頃までの斎藤の芸術観や服飾デザインに加え、斎藤によって書かれた『国民服の考案』、国民服のデザインをもとに明らかにする。そして、国民服の実現が斎藤の志した生活芸術の結実にどのように関わるのかを考察する。国民服における素案やデザインで具体化された日本的なデザイン、機能性、衛生性、規格化や経済性を含む合理性は、初期からの斎藤の思想を少なからず継承していたと言え、国民服の実現は、斎藤の志した生活芸術や生活の合理化が国家政策の中で反映された一例であると考えられる。

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