主催: 日本デザイン学会
会議名: 日本デザイン学会第73回研究発表大会
回次: 73
開催地: 千葉工業大学 津田沼キャンパス
開催日: 2026/06/12 - 2026/06/14
本研究では、ファッション雑誌表紙に表れる社会的メッセージに着目し、『VOGUE』米国版表紙を対象として、その歴史的変遷と日本の作り手・読み手による受け取られ方を検討した。表紙は単に衣服や流行を提示するだけでなく、複数の主体の編集過程を通して社会的メッセージを視覚的に構成する編集装置として機能してきた。そこで本研究では、表紙アーカイブの通時的内容分析、作り手および読み手へのインタビュー、視線行動分析を通して、表紙に表れる社会的メッセージの存在とその表れ方、ならびにそれに対する日本の作り手・読み手の捉え方を検討した。その結果、『VOGUE』米国版表紙には社会的メッセージが認められ、日本の作り手が想定する表紙の意味づけと、読み手の受け取りのあいだには一定のずれがみられた。また、読み手の事前知識が注視傾向に影響する可能性が示唆された。以上より、VOGUE表紙は、読み手ごとに異なる解釈を生みうる視覚表象として捉えられる。今後は、この解釈の差異とメッセージ理解との関係をさらに精密に検討する必要がある。