日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会第73回研究発表大会
セッションID: A-09-05
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エンパワメントデザイン:もてる力が活きる関係の設計
*相野谷 威雄, 笠松 慶子
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抄録

本研究は、UXデザインおよびプロダクトデザインにおける設計対象の再定義を目的とし、「エンパワメントデザイン」を提案する。現在のUXデザインは使用者を「経験の受け手」として位置づけ、体験の質の最適化に主眼を置いてきた。しかしこの枠組みでは、使用者が本来もつ力・意思・能力(もてる力)を発揮できているかという問いは設計の射程外に置かれている。 本研究はこの問題に対し、設計対象をモノ・コトからさらに拡張し、人・行為・人工物・目的の間の「関係」として捉え直す。エンパワメントデザインとは、使用者のもてる力が活きる関係を設計する方法論であり、看護のエンパワメント論およびSenのケイパビリティ・アプローチを理論的基盤とする。 主体性の発現条件として、①知覚可能性、②行為可能性、③役割獲得可能性、④社会的承認の4階層モデルを構築した。色覚特性ユーザーのための焼き肉トングを事例として分析し、条件①への設計的介入が条件④まで連鎖的に作用し、使用者が社会的役割を獲得できることを示した。本提案はAI時代における人間のもてる力の設計可能性を示す理論的基盤である。

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