デザイン学研究
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定常状態デザイン空間の線形構造
小川 一行
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1988 年 1988 巻 64 号 p. 31-36

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抄録

第1章:大脳神経場の中に描かれるイメージを手掛りとして思考が行われるものと仮定し,その定常状態パターンf(q)に感性と理性の接点を求めると言う基本アイデアを説明する。第2章:理論展開のための基礎的背景として,対象空間の数学モデルと,そこに描かれるイメージ・パターンf(q)の有界,一価,連続性,定常状態,及び信号の粒子性等の概念を準備する。第3章:f(q)をフーリエ展開し,各項が概念に等しいことを証明する。これらの概念群は,コンテクストHにより束縛されたとき一つのイメージ・ベクトルΨを構成し,Ψの集合は意識空間を作る。第4章:前章では意識空間の線形性に主として注目したのに対してここでは位相的性質に注目する。パリティによって心理状態を区別すると共に,概念に確率的意味が与えられる。これらの結果は,被覆定理とフレーム定理の二つの定理にまとめられる。第5章:1〜4章を総括して,感性と理性の双対性の認識に至ることを結論した。

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© 1988 日本デザイン学会
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