デザイン学研究
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ニーズ開拓型デザイン発想支援の方法 : デザイン発想支援システムの開発研究-4
野口 尚孝谷村 陽一塩野 大輔
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1993 年 1993 巻 96 号 p. 31-38

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抄録

本研究は、新しいニーズを掘り起こし、新製品提案として具体化するための発想支援に関する方法についての研究である。第一の方法は、先ず従来の製品群の使用状況を解析し、潜在的な使用状況の可能性領域を求め、この可能性領域への目的ベクトルを設定することにより製品コンセプト生成のためのキーワード群を抽出する。次にこのキーワード群を手掛かりとして、抽出した新しい使用イメージ語群についてそれぞれの因果的連関構造を解析し、個別機能イメージ、実現手段イメージ、目的表現の3レベルに分類する。最後にその結果から具体的製品イメージの設定を行ない製品のデザイン提案をする。第二の方法は、複合機能を持つ製品群の個別機能を一般化という観点から抽象化した機能の階層として捉え、その階層構造を逆に下降することで新しい機能の存在可能性を探る。次に抽象化機能間の類似性をその実現手段を媒介変数とした数量化III類空間で捉え、その空間的位置関係から従来ない機能の組み合わせを抽出し、それらの結果から新しい製品の提案をする。

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© 1993 日本デザイン学会
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