1993 年 40 巻 3 号 p. 23-30
形態設計はその時代のさまざまな市場のニーズや技術革新に支えられる一方で,生産を目的とした製造技術に制約されたり,加工技術の影響を受けている。今日ではデザイナーが道具としてコンピュータを使い,3次元形状データを作成し,レンダリング表現によって形状のシミュレーションをすることが可能になった。このようなデザインプロセスでは,サーブエイズモデルやソリッドモデルによる3次元形状データ作成が中核となり,データベースを利用した部品レイアウト,外観デザイン,製品のバリエーション展開が行われる。この3次元形状データは製品設計の後工程になる機構設計の工程に出力されると同時に,3次元CGによるプレゼンテーションやDTPの素材として利用される。本稿では実例を上げて形態情報処理法の理論的意味と概念の構築を試みた。