1994 年 41 巻 3 号 p. 31-40
現在のオフィスにおける創造的問題解決の重要性の高まりとともに,それをグループで行うコラボレーションが注目されている。同時にコラボレーションの「場」で使用するための様々なツールも開発されているが,それらを使用することが「場」における人々の行動とコラボレーションに変化を与えると思われる。本小論では,創造的問題解決を行うためのいくつかの「場」を実験的に設定し,情報環境における情報伝達と情報表示・展開の側面に関する被験者の主観評価を基にコラボレーションの「場」を構成するツールについて考察することを目的とする。その結果,現状で設定可能なコラボレーション「場」とそのツールに対する評価が明らかになり,今後,コラボレーションの「場」における情報環境をデザインするための示唆が得られた。