デザイン学研究
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自動車用シートの設計要因 : シート設計方法に関する一考察(1)
松岡 由幸
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1994 年 41 巻 3 号 p. 41-48

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抄録

シート設計要因には腰椎支持など個人差の比較的少ない性能要因と硬さに代表される個人差大の嗜好要因の2タイプがある。座り心地評価構造はそれらが混在して評価されることでより複雑になっており、特にその傾向は自動車の走行状態での動的評価よりも静止状態の静的評価において顕著である。本稿では、静的評価による官能評価実験を実施し,各パネルの客観的評価(刺激の強さ)と主観的評価(満足度)の対応関係から嗜好要因を抽出すると共に、その嗜好要因に基づいたパネルの層別化,各層毎の評価構造の解明,嗜好要因の官能特性と物理特性との対応検討を試みた。その結果,嗜好要因としてばね感,および座部と背もたれの硬さ感の2要因が抽出され,それらをもとに層別化した7グループの各評価構造を明らかにした。また,ばね感と硬さ感に関与する物理特性は,各々共振振動数,たわみ量とヒステリシスロス巾の合成値であることが判明し,座り心地設計上の嗜好特性を制御する因子として今後活用可能であることを示した。

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© 1994 日本デザイン学会
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