デザイン学研究
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ツールがコラボレーション参加者に与える影響の定量的評価 : コラボレーションの「場」におけるツールのあり方(3)
近藤 朗清水 忠男勝浦 哲夫
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1995 年 41 巻 5 号 p. 9-18

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抄録

コラボレーションの「場」で使用するための様々なツールが開発されているが,それらツールはコラボレーション参加者になんらかの影響を与えると考えられる。本小論では,実験的に設定したコラボレーションの「場」において,人々が受ける影響を定量的に評価することを目的とした。評価の指標としては,心理生理学的指標,評定尺度法に基づく主観指標,創造科学の分野で用いられている創造性テストの指標により分析を進めた。分析は以下に示す4つの視点で行った。(1)ツールが精神活動に与える影響 (2)ツールが情報処理に及ぼす影響 (3)ツールが感性面に与える影響 (4)ツールが発散思考に与える影響 その結果,ツールはその特性,特に操作性,コミュニケーション環境などに応じて,参加者に影響を与えていることが明らかになった。また,評価手法の妥当性に関しては,心理生理学的指標で顕著な差が見られなかったが,その他三つの手法については,相互に対応する結果がみられ,評価手法として妥当性が得られた。

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© 1995 日本デザイン学会
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