デザイン学研究
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自動車設計におけるサイマルティーニアス・プロセス : テールランプデザインを事例として
松岡 由幸
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1995 年 41 巻 5 号 p. 19-28

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抄録

自動車開発におけるサイマルティーニアス・プロセスの導入(サイマル化)は,的確な設計解を短期間に求め,開発期間の短縮などを実現する方策として検討が進められている。しかしながら,現在では,開発における上流・下流工程間での単にタイムリィーな情報共有化だけではサイマル化の推進が難しく,そのボトルネック要素の設計方法の改善が必要となっている。本稿では,自動車開発のサイマル化を取り巻く課題と戦略的視点を述べ,事例として開発期間短縮のボトルネック要素であるテールランプ設計方法の改善とそのサイマル化を検討した。テールランプ設計方法の改善では,従来感覚設計であった外観設計を多変量解析,コンジョイント分析,ニューラルネットワークを用いて,定量予測の可能なものとした。サイマル化では,その外観設計と従属関係の強い機能設計(配光設計)との共存解を求める方法として,階層構造グラフを用いるプロセス化を試みた。本結果は,ランプのサイマル設計方法を提案すると共に,今回の方法がサイマル化に有効であることを示した。

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© 1995 日本デザイン学会
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