小論は,過去15年間の日本のRV車と,その先行車種群のスタイリングに関する属性データの数量化分析を通して,RV車のタイプ分け,スタイリングの変遷ならびに新しいRV車がどのように市場に出現したかを見たものである。具体的には,いわゆるオフロードタイプのジープから,RV車は領域を拡大し,今日,RV車としての属性を有しつつもコンセプトの違いによる二つのグループに分かれつつあることを示した。更に,この車種の市場における四大メーカーの傾向を図表にした。これは,客観的分析による商品のポジショニングを戦略的に検討する新しい方法となりうることを示した。