デザイン学研究
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新構造の製品における設計プロセス : シート設計方法に関する-考察(6)
松岡 由幸
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1997 年 44 巻 2 号 p. 9-18

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抄録

新しい構造を有する製品の設計の多くは、既存の構造に変更を加える形で行われている。この変更は単に要求に対して直接的に関わるものだけでなく、その影響による2次的、3次的な間接的関連変更の必要性を含む。このような関連変更を素早く的確に把握することは難しく、その方法の構築は、新構造を有する製品の設計の改善のために期待されている。本研究では、設計者が新製品の構想を有し、ユーザー要求から直接的に影響を受ける製品特性や構成要素を把握している場合において、その2次的、3次的な間接的影響を明確にし、それを含んだ設計プロセスを構築する方法として、QFDと階層構造グラフを用いた方法を提示した。また、その方法の有効性を確認するために、新構造として設計された助手席専用シートを事例にして、机上での適用を試行した。その結果、実際に行われた設計において発生した設計変更を防止可能とする的確なプロセスの構築が可能であることが判り、今回提示した方法の有効性を示した。

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© 1997 日本デザイン学会
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