デザイン学研究
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道具のあいまいな使用評価と設計過程 : 加齢にともなう道具の設計評価手法構築に関する研究(1)
梨原 宏
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1998 年 45 巻 4 号 p. 55-64

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抄録

本研究は加齢対応と共用化に立脚し設計された道具の使用評価の中で, あいまいな評価を受けた項目に視点をおき, それを使いやすさに結び付ける設計評価手法を構築することを目的としている。そのために本報告では, 設計された道具へのあいまいな使用評価の生成経緯と性質を, 設計過程と使用過程から推論を行っている。あいまいな使用評価の生成要因は, コンセプト立案と設計仕様設定, 設計解のどの設計プロセスからも発生し, それは7経緯が存在する。この生成経緯を逆にたどれば, あいまいな使用評価を発生させている設計経緯を見い出せる。使用評価項目(負荷)によって得られた使用評価(ひずみ)は, 明らかなひずみとあいまいなひずみで表わし, そのひずみは使用経緯によって変化することを推論した。またひずみは使用条件, 心身の機能低下レベルによって支配されることを示した。

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© 1998 日本デザイン学会
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