抄録
今まで道路整備事業の路線計画作業は、「人間の手作業として」表面図上に整理し、道路の規格と、それに基づく幾何構造基準を満足させるべく線形を探索する形で行われている。本研究の立脚点は線形計画を行う際の、「人間の判断作業の手助け」を試行したものである。本論文では前報の論文に続いて、内部景観評価によって求めた最適ルート解の探索方法を示した。即ち、路線計画を行う際の、評価基準を明確にしたうえ、ルートを探索するものである。本研究では、運転者の心理変化に基づいて、その評価基準を構築したものである。具体的には、計画対象区域を適切な大きさのメッシュに区切り、各メッシュに対する景観の評価データを採取し、構築した評価基準に基として遺伝的アルゴリズムを用いて最適ルート解の探索を行うというものである。構築した景観の評価基準を用いて、既存ルートヘの評価を行い、専門家の経験による判断された結果と一緒なので、景観の評価基準が有効ということを分かった。