デザイン学研究
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日本の博物館におけるバリアフリー実態の類型化による特性分析
朴 燦一宮崎 清
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2005 年 52 巻 1 号 p. 37-46

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抄録

本研究は, これから解決していくべき博物館バリアフリーの諸課題を把握・考察するとともに今後の博物館におけるバリアフリー計画のより具体的な方向性を提示することを目的として, (1)日本の博物館のバリアフリーの実態を主成分分析およびクラスター分析を適用し, 博物館のバリアフリー対応実態の類型化を試み, (2)得られた4つの類型の特性と各々のバリアフリー対応状況との関係をクロス集計によって把握・分析したものである。その結果, 次のような今後の博物館におけるバリアフリー計画推進のための4つの方向性を得た。それらは, (1)人的資源の活用によるバリアフリーの活性化(2)移動のバリアフリーから情報のバリアフリーにより重点をおいたバリアフリー計画推進(3)視覚障害者へのバリアフリー対応強化(4)博物館職員のバリアフリーに対する意識の高揚の4つである。これらは, 博物館のバリアフリー対応類型の特性によって実施上のプライオリティの違いはあるものの, 共通して今後の博物館におけるバリアフリー計画推進に欠かせないものである。

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© 2005 日本デザイン学会
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