デザイン学研究
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商ベクトル空間としての色空間について : コンピュータグラフィックスにおける三色表色系(1)
玉垣 庸一
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2005 年 52 巻 1 号 p. 47-54

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抄録

本研究はCGでの活用を目指して三色表色系の拡張を試みたものである。最初に、色光の空間Vnから加法混色系の色空間への線形写像Ψ^^-(等色写像)を用いて等色実験を記述した。色光空間の基底にも色空間の基底にも依存しない等色写像と、双方に依存する等色行列の中間的な表現として、色光空間の基底には依存しないが色空間の基底には依存するような線形作用素を新たに提案しセンサと名付けた。次に、写像の結果がゼロベクトルとなるような色光の集合すなわち等色写像の核をKerΨ^^-とするとき、同一の色感覚をもたらす一群のメタメリックな色光が同値類を形成して、色光空間Vnの核KerΨ^^-に関する商ベクトル空間Vn/KerΨ^^-の元となることを示した。これにより、加法混色系におけるグラスマンの法則は商ベクトル空間への写像の性質を反映したものであることが明らかとなった。

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© 2005 日本デザイン学会
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