デザイン学研究
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国外地域的事例の比較と韓国のフットスケープデザインの方法論 : 地域的・親環境的フットスケープデザイン開発のための研究(4)
金 明蘭樋口 孝之植田 憲宮崎 清
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2006 年 53 巻 4 号 p. 65-74

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抄録

韓国では市街の景観整備において通りの舗面の個性化は端緒についたばかりである。優れたフットスケープデザインによる舗面の個性化は,機能性一辺倒に陥らない人間性豊かな歩行空間を構築する点で極めて重要である。本研究では,ヨーロッパ主要都市28ヵ所において歩行者専用道路の事例調査を行った。事例について空間の印象と舗面舗装の仕様の関係性について解析を行い,先に報告した日本の事例と合わせて考察を行った。その結果,舗面の個性化に向けた各様の表現方法として,沿道の建物群との調和,芸術的作品の導入,舗面の幾何的な構成による特徴化,地域産出材料の導入,地域固有の色彩の活用,自然環境との調和,地形への適応,外部空間の内部空間的変容,伝統的舗装技法の活用,地域の特徴を表象する視覚表現の導入,親環境素材の活用が抽出された。今後の韓国において通りの舗面の個性化を行うには,抽出された表現方法を参照し,地域特性ならびに通りの用途に適合するフットスケープデザインを実施することが肝要である。

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© 2006 日本デザイン学会
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