デザイン学研究
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初期国産家庭用電気洗濯機「Solar」の成立と戦前における展開 : 日本における国産家庭用電気洗濯機の成立と展開(1)
林原 泰子石村 真一
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2007 年 54 巻 1 号 p. 31-40

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抄録

初期国産機「Solar」に関し, 文献史料を中心に調査研究を行った結果, 以下について明らかとした。1)「Solar」は, 1932(昭和7)年に成立した国産初の縦型撹拌式洗濯機である。製造元は芝浦製作所であり, 東京電気により全国販売が行われた。2)「Solar」は, アメリカからの技術導入により成立した。原型機は, 1928(昭和3)年頃, 東京電気により輸入・販売されたThor Appliance Company製の撹拌式「Thor」である。3)「Solar」は戦前だけで, A型, B型, C型, D型, E型のラインナップを持つ。国内で開発された新規の技術を取り入れながら, 改良が重ねられていた。4)1937(昭和12)年頃には, 「Solar」に対する認知は一部で広がっており, この時期に, 現在にも続く洗濯機=(イコール)縦型のイメージが創出されたといえる。

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© 2007 日本デザイン学会
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