2007 年 54 巻 1 号 p. 41-48
移動通信技術の発展に伴い携帯用情報機器を利用して道案内や周辺情報などのサービスを歩行者に提供するナビゲーションシステムが注目されている。本論文ではファジィ理論に基づいてユーザの好みを反映させた歩行者ナビゲーション支援システムとそのユーザインタフェースを提案する。支援システムは、目的地設定ユニット、経路探索ユニット、好み情報シミュレーションユニットから構成される。目的地検索は、目的地の好み評価に用いられたキーワード相互間の関連度をファジィ論的に定式化したキーワード結合行列を用いて行われる。これにより目的地が定まっていない曖昧な状況でも歩行者の好みに合う目的地を検索することができる。さらに、出発地と目的地が同一であっても歩行者の好みによって異なる経路を探索できる方法を提案した。本論文で提案する方法により目的地検索と経路選択におけるユーザの好みを反映することができ、より満足度の高いナビゲーションが可能になると予想される。