デザイン学研究
Online ISSN : 2186-5221
Print ISSN : 0910-8173
ISSN-L : 0910-8173
映像コンテンツにおける表現技法の心理的効果 : カメラムーブメントの効果について
藤田 良治山口 由衣椎名 健
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 54 巻 3 号 p. 1-8

詳細
抄録

本研究では撮影技法によって作られる映像の動きに着目し,映像素材におけるカメラムーブメントの違いが視聴者に与える心理的影響を明らかにする実験を行った.6種類のカメラムーブメント(ズームアップとズームバック,左パンと右パン,ティルトアップとティルトダウン)と4種類の情景カテゴリー(図形,自然,人工,人間)を組み合わせて24映像を製作した(6カメラムーブメント×4カテゴリー).この映像を,48名の被験者に呈示し印象評価を求めた.各項目の回答から5因子解(「好感度」「規則度」「活動度」「親和度」「インパクト度」)を得た.各因子の標準因子得点を用い.カメラムーブメント(6)×カテゴリー(4)の2要因分散分析を行った.その結果,それぞれのカメラムーブメントは視聴者に異なる心理的影響を与えることが明らかになり,視聴者に好感度やインパクトのある映像を製作するためには,撮影技法としてのカメラムーブメントを適切に選択することの重要性を示した.

著者関連情報
© 2007 日本デザイン学会
次の記事
feedback
Top