近年,アニメーションや映画などの映像コンテンツに現れる造形物の製作には,コンピュータによってモデリングされたCGを用いることが多い。しかし,それらの造形は作家の感性に委ねられたり,わざわざ実物を計測してなされることが多く,その制作に多大な労力を要する。そこで,本研究では自然造形物や工芸品における曲面が,どのような視覚言語とその組み合わせによって表されるかを明らかにし,それらをデジタルアーカイブ化することを目的とした。まず,曲面における曲率線を抽出するシステムを開発した。次に,そのシステムを用いて,石,ワイングラス,徳利,ならびに,コンピュータマウスにおける曲面の曲率線を抽出し,各曲率線を2つの投影面に投影することにより,2本の平面曲線として取得した。さらに,投影した各平面曲線を曲率単調曲線に分割し,各曲率単調曲線の性質を分析した。これらの分析の結果,各曲面の性質を明らかにし,デジタルアーカイブ化の可能性を示すことができた。
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