デザイン学研究
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空間曲線の性質分析手法の提案
井上 治郎原田 利宣今井 敏行小島 志織
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2009 年 55 巻 5 号 p. 5_65-5_74

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抄録

 現在,工業製品のデザインで用いられている3次元CADシステムでは,キーラインとなる空間曲線が美しくなるように制御することが難しく,そのデータをもとに削りだしたクレイモデルをさらにモデラが玉成することで理想となる曲線(面)を作り出しており,その作業は多大な工数を必要としている.
 そこで,本研究では空間曲線の性質を定量化する手法の開発を行い,それを用いてさまざまな美しい空間曲線がどのような性質とその組み合わせでできているかを同定することを目的とした.具体的には,まず空間曲線の性質を分析するシステムの開発を行った.次に,数学曲線や製品における空間曲線の曲率半径・捩率半径から曲率対数分布図,および捩率対数分布図を作成し,これらの空間曲線の性質を同定した.さらに,本システムを応用し,曲面を構成する曲率線群の分析を行った.その結果曲面の性質を定義する曲率線の性質とその接続位置の変化,およびその組み合わせを同定することができた.

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© 2009 日本デザイン学会
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