抄録
本研究においては,対象と場の関係を記述可能な多空間デザインモデルを視点として,VR空間上のロボットによる親近感生起動作の生成法を提案した.生成法には,親近感の評価における個人差を反映可能な対話型遺伝的アルゴリズムを用い,親近感とアイコンタクト双方に対する評価を入力として動作生成を行うこととした.動作生成を実施した結果,親近感に対する評価のみを入力した場合の生成動作と比較して,提案手法による生成動作の親近感評価が高くなったことから,ロボットの視線方向とヒトの視線方向の関係から生まれるアイコンタクトを考慮することの重要性が示された.さらに,生成動作におけるアイコンタクトの度合いに相違がみられたことから,アイコンタクトと親近感の関係には個人差があり,アイコンタクトに対する個人の好みを考慮する必要性も示された.