デザイン学研究
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戦後日本の家具小売業店頭展示の変遷と木製家具メーカーの販促手法
- 家具小売専門店・百貨店家具売場の店頭展示とコスガの販売促進手法との比較研究
新井 竜治
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2012 年 59 巻 2 号 p. 2_69-2_78

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抄録

家具小売専門店・百貨店家具売場における家具の展示方法は、1950・60年代は平場展開が全盛であったが、70年代の海外家具メーカーのギャラリー展開を機に、ルーム展開が導入された。80年代はルーム展開と平場展開が並列したが、バブル崩壊を経て、90年代以降は平場展開に回帰した。ライフスタイル提案型ショップは、70年代の海外家具メーカーのギャラリー展開にその萌芽が見られ、80年代初めから 90年代中盤に興隆期を迎えた。90年代中盤以降は小規模化し、一点豪華主義的になった。主要木製家具メーカーのコスガは、トータルインテリアコーディネート家具シリーズを家具小売業の店頭にギャラリー展開するため、70・80年代には家具だけのルーム展開プランを販売店側に提案したが、90年代以降は、ライフスタイル提案型ショップの影響を受けて、家具と生活雑貨を展示する生活感溢れる提案へと販売促進手法を変化させた。コスガのギャラリー展開の情報源は、アメリカの家具小売市場におけるイーセン・アーレン等の家具メーカー主導のギャラリー展開の事例であった。

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© 2012 日本デザイン学会
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