抄録
スキンケア用コットンの持ち方を「はさむ」と「つまむ」2つの姿勢に分けた。「はさむ」は手指を伸展させ、指と指の間にコットンをはさむ姿勢であり、「つまむ」は拇指とそれに対向する複数の指でコットンをつまむ姿勢であった。本実験のタスクは化粧水を顔にコットンでなじませる動作であり、18プロセスから成っていた。被験者は30代の社会人女性15名と高齢女性11名であった。測定項目は上肢の筋電図および関節角度であった。結果、「はさむ」場合、コットンを手と顔面の相対的な角度と位置に合わせて幅広く移動させるため、手指と掌についての力および姿勢の変化は大きく、手関節の姿勢変化は小さいことがわかった。「つまむ」場合、手指の力および姿勢は一定であるため、コットンを顔面に移動させるのに、手関節の姿勢変化が大きいことがわかった。
コットンの持ち方に関わらず、高齢者の化粧対象部位間の筋活動と関節運動の違いが若年者より小さかった。このことより、高齢者は若年者のように力と姿勢の調整が上手にできず、運動学的により狭くかつ低い活動度であることが示唆された。