デザイン学研究
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大型低解像度デジタルサイネージにおけるピクトグラム表示の試み
-問題点の抽出と改善案の検討
菱沼 隆三好 友樹小山 慎一日比野 治雄
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2012 年 59 巻 3 号 p. 3_67-3_74

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抄録

現在,大型デジタルサイネージは,その媒体性能の違いから表現方法の多様化が生じ,開発者は低解像度に合わせたデザインを求められている.本研究では低解像度表示が求められる場合の有効なピクトグラム表現手法の検討を目的とした.デザインのベースには JISZ8210標準案内用図記号から推奨度 Aの42点を用いた.それらをもとに6種類の表現手法による 252点を新たにデザインし,オリジナル 42点を含む 294点を用意した.それらデザインのわかりやすさ,シンプルさ,美しさ,などについて実験参加者に訊ねたところ,わかりやすさでは文字情報を加えた表現方法の評価が高く,シンプルさと美しさでは文字情報を加えない表現方法の評価が高かった.また,文字だけによる表現方法ではわかりやすさの評価は低くなかったが,好感度と美しさでの評価は低かった.これらより低解像度での表現が求められる場合,文字情報を加えた表現方法ではわかりやすさが強調される傾向が認められ,文字情報を加えない表現方法ではシンプルさと美しさが強調される傾向が認められた.

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© 2012 日本デザイン学会
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