デザイン学研究
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ESM法を用いたユーザ経験収集ツールの評価
─mobile AP3 を用いた観察によるモノ・コトデザインのための記録特性
荘 育鯉南部 美砂子岡本 誠
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2014 年 61 巻 4 号 p. 4_105-4_114

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抄録

情報環境をデザインする場合,ユーザの経験を理解することが大切である.そのために,ユーザの活動や心理的な変化を知るための新たなデザインメソッドが必要とされている.そこで本研究では,スマートフォンと経験抽出法(Experience Sampling Method,ESM)を用いたマルチメディア経験収集システム(mobileAP3)を提案した.mobile AP3 は観察者の経験を複数の記録用メディアによって記録することができる経験収集システムである.今回の研究では,各記録用メディアの有効性を明らかにし,また,記録用メディアを用いたことで,観察者と周囲の人や環境の関係についての考察を行った.分析の結果,調査者は観察対象(環境や人間活動)の違いによって,それに適した記録用メディアを選択することが明らかになった.更に観察態度や記録行動をも変化させていることが示唆された.

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© 2014 日本デザイン学会
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