デザイン学研究
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ユーザインタフェース操作におけるメンタルモデル構築と活動状態指向性・作業記憶の関係に関する一考察
─メンタルモデル構築のためのユーザ特性の検討
土井 俊央石原 啓介山岡 俊樹
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2015 年 62 巻 4 号 p. 4_61-4_66

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抄録

 認知的な側面から機器の使いやすさを検討するためには,ユーザのメンタルモデルを理解し,それをデザイン開発に活用することが重要である.本研究ではその指針の一つとして,ユーザインタフェース操作のためのメンタルモデル構築に関係するユーザ特性の把握を目指し,ユーザの内的資源とメンタルモデル構築との関連を調査した.ここで言う内的資源とは,ユーザの知識,能力や認知特性などユーザ自身がすでに持っているリソースのことを言う.こうした知見を獲得することで,デザイン開発の際に考慮すべきユーザ特性が明らかになることが期待される.内的資源としては活動状態指向性とワーキングメモリに着目した.前者は意図を実行に移しやすいかどうかの傾向を表すもので,後者は作業中の一時的な記憶容量である.それぞれの測定結果とメンタルモデル構築度合を比較検討することで,これらの要素はユーザのメンタルモデル構築への関わりが少ない可能性が示唆された.

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© 2015 日本デザイン学会
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