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デザイン学研究
Vol. 63 (2016) No. 3 p. 3_73-3_82

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http://doi.org/10.11247/jssdj.63.3_73


 本稿は,ハルビン市道外区靖宇街周辺の中国式西洋建築の装飾文様を取り上げ,その文化の特質を明らかとすることを目的としたものである。装飾文様の特徴として,以下の各点が明らかになった。(1)靖宇街の歴史建築には,身近な動植物の特性や同音異義などの伝統的な表現方法を利用して,多様な吉祥文様が多く付されている。それらの多くが中国の伝統的な吉祥文化を基盤としたものである。(2)当時の工匠らは海外の建築スタイルを模倣し,靖宇街の建築のファサードに西洋装飾文様を試みたことがうかがえる。さらに,それぞれの西洋文様を参照して,中西混用装飾文様が創造された。このような装飾文様は,靖宇街における中国式西洋建築の大きな特質のひとつと考えられる。(3)靖宇街の建築装飾文様には,それぞれに内包される寓意を通して,中国の伝統的な生活文化を継承しつつも,当該地域において豊かな生活を実現しようとした人びとの意識が如実に反映されている。

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