デザイン学研究
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ビデオ学習におけるセグメンテーション効果のための巻き戻しインタフェースの要因分析
敷根 伸光山中 敏正星野 准一
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2019 年 66 巻 2 号 p. 2_9-2_18

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抄録

 e-Learningシステムにおける教育メディアの時間構造のデザインは重要である。その中でも動画は学習者の事前知識に合わせて適した長さに分割することにより効率的に学習することができることが知られており、これはセグメンテーション効果(segmentation effect)と呼ばれる。早送り,巻き戻し,停止の操作で学習者は個々の理解や認知的な負荷に応じて学習のセグメントサイズの調節をしていると考えることができる。本稿では,学習者が学習メディアの途中で巻き戻し等の操作を行う際の心理メカニズムをセグメンテーション効果と認知負荷理論(Cognitive Load Theory)の観点から考察し,メディアのスライスの大きさと位置がシーン探索操作時の認知負荷に影響を及ぼすという仮説を立てた。そして,大学生以上の男女30名に対し数学の微分積分を学べる学習アプリを用いて3種類の異なるスライス条件でシーン探索課題の結果と印象評価を比較したところ,1発話単位(3秒程度)でメディアをスライスすることでシーン探索操作時のパフォーマンスが向上し,効率的に学習できることを明らかにした。

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© 2019 日本デザイン学会
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