デザイン学研究
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日本における地域通貨の実態と類型
-内発的地域活性化をめぐる地域通貨の再検討(1)
孟 晗植田 憲
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2020 年 67 巻 2 号 p. 2_11-2_20

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抄録

本稿は,全国の地域通貨の運営主体を対象にした質問紙調査を通して,近年の日本の地域通貨の実態を把握することを目的としたものである。調査・考察の結果,以下の知見を得た。(1)近年の日本の地域通貨は従来の概念から超越し,多様なかたちが定着している。一方,それらの多数は価値判断の指標が国家通貨と変わりがなく,市場経済の下で派生した地域経済振興の一手段に過ぎない。(2)内発的発展論の観点に基づき、類型化を行うことにより,日本の地域通貨は5つに分類することができる。(3)「コミュニティ協働内発型」地域通貨は参加者が有する能力を活かすことができ,かつ価値判断を自由に行うことができるため,参加者は「消費者」であることから解放され,「生産・消費者=生活者」として生きる姿を取り戻す可能性を与えられる。(4)同類型の地域通貨の運営団体は,多様なイベント・プロジェクトを開催し,その過程で当該地域の潜在的資源を再認識し利活用することに寄与する。なお,参加者が共通する価値観を醸成し,地域内の新たなネットワークを創生させ得る。

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