2022 年 68 巻 3 号 p. 3_35-3_42
国内においてセイヨウミツバチの飼育のために利用されている巣箱は、ラングストロス式巣箱にほぼ限定されており、新しい巣箱の提案はあまりなされていない。そこで、セイヨウミツバチの巣箱の設計要求を明らかにするために、グラフ理論を用いてその因果関係について検討した。セイヨウミツバチを飼育する際に用いられる巣箱の設計要求を経験豊富な養蜂家 5 名で協議した結果、合計 45 個の項目が設定された。ISM 法による解析の結果、45 の設計要求項目は 17 階層で構成され、それらは複雑な因果関係にあることが分かった。加えて、設計要求のなかでも特に、着脱が容易な巣板を巣箱のなかに格納可能なことやミツバチの数に応じて巣箱の内部空間を拡大・縮小できること、堅牢であることが重視すべき項目であることが判明した。また、養蜂家の属性、例えばミツバチ飼育の目的や飼育環境などの違いによって、巣箱に求められる設計要求も異なることが示唆された。