デザイン学研究
Online ISSN : 2186-5221
Print ISSN : 0910-8173
ISSN-L : 0910-8173
場所的拘束条件に基づく先行イメージ構築モデルに関する研究
─スケッチを用いたインタラクティブシステムの先行イメージの導出
坂口 和敏小林 延至白坂 成功
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 68 巻 4 号 p. 4_7-4_16

詳細
抄録

 人間,人工物,環境で構成されるインタラクティブシステムの統合には思考活動の前提となる先行イメージが必要となるが,その構築モデルの具体が示されていない。本研究ではシステムを導出できるようにするために先行イメージの構築モデルの仮説提示と検証を行なった。その結果,以下3点を確認した。1点目は場所的拘束条件がアイデアのテキストやスケッチに反映されていること。2点目は場所的拘束条件に基づく場の推論的仮定によって,人間,人工物,環境の関係がスケッチに可視化されていること。3点目は先行イメージに基づくシステムが可視化されたスケッチに含まれていること。つまり,場所的拘束条件を満たすスケッチはシステムの境界,システム内部の相互作用,システムと外部の相互作用を特定できる。以上のことから,システムを含む組織化された先行イメージが頭の中に構築され,その一部がスケッチに可視化されることを確認した。

著者関連情報
© 2022 日本デザイン学会
前の記事 次の記事
feedback
Top