デザイン学研究
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若者の日本酒への興味関心を促すラベルやパッケージのデザイン要素の抽出を試みる一考察
―長岡市に住む20〜30 代の若者を事例としたMaxQDA による日本酒に対する嗜好や趣向の分析から
軍司 円板垣 順平砂野 唯
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2022 年 69 巻 2 号 p. 2_1-2_10

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抄録

 日本国内において、日本酒の消費量減少が危惧されるなかで、新潟県の中部に位置する長岡市では、日本酒を積極的に飲用する若者や潜在的に日本酒を飲用する若者が多く存在する。
 本研究では、長岡市に住む20~30 代の若者を事例に日本酒に対する嗜好や趣向に関するアンケートや半構造的インタビューを実施し、それらの情報から、長岡市内の若者の日本酒への興味関心を促すラベルやパッケージのデザイン要素の抽出を試みた。
 その結果、感覚的要素と形態的要素の二つがデザイン要素として提示された。前者は、日本酒の「同工異曲」な性質を直感的に理解・イメージできるような視認性の高さと、季節感や可愛さ、馴染みやすさなどの形容表現が挙げられた。後者は、一升瓶や四合瓶に加えて、一度で飲み切ることができる少量の酒瓶サイズを展開することなどが挙げられた。これら二つの要素を日本酒のラベルやパッケージに生かすことで若者の日本酒への興味関心や購買意欲を促すものとなり得ることが明らかになった。

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© 2022 日本デザイン学会
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