抄録
理科嫌いが増えたと言われる。そこで話は、「どうすれば理科嫌いをなくせるか」「理科好きにさせることができるか」という方向に発展する。しかし、本当に「理科」が嫌いなのであろうか。理科的なことへの興味・関心が本当に失われつつあるのだろうか。科学する心は人本来のもので、もしかしたら学校教育が教えようとしている「理科」が、「理科嫌い」を作り出しているのではないだろうか。そうであるなら、大いなる自省・自問の上、「理科」という枠の中で何を伝え・育成していくか、という方向の論議を、煮詰め直す時期ではないだろうか。