抄録
理科学習の展開を構想するにあたっては、児童・生徒がどのような体験を持ち、それをもとに如何に考えるか、つまり、彼らの自然に対する認識や思考過程を的確に把握する必要がある。この意味から小学校理科の「生物とその環境」の学習では、まず彼らが「生き物」をどのように認識しているかを知る必要がある。前年度までの調査を踏まえて、本研究では年中児から小学校1年生までの児童を対象として、「同じもの」や「違うもの」の観点から動物と植物、及び簡単な図形の分類に関する認識を調査した。その結果、「生き物」については、学年が進むにつれて正しい認識を持つこと、植物を分類する際には「花」が大きな役割を果たすこと、動物を分類する際には、「形態」や「生活場所」が指標になることが明らかになった。