抄録
オーストラリア、中国、日本、フィリピン、タイ、アメリカ合衆国の環太平洋諸国において、5年生と8年生を対象とする①科学観(26項目)、②自然観(26項目)、③理科授業(26項目)、④理科的関心と活動(22項目)の実態調査を行った。そのうち、科学観については、アメリカとオーストラリアの子どもは現代的な科学観を、日本の子どもたちは相対主義と伝統的科学観を、中国、フィリピン、タイの子どもはSTS的科学観と相対主義をそれぞれ強く支持した。また、理科授業の方法において、アメリカとオーストラリアでは現代的な科学の方法を、日本では伝統的な科学の方法を、中国などではSTS的な活動を多く取り入れていることが明らかになった。