抄録
本研究の目的は, 認知的徒弟制理論をプログラミングの学習や問題解決能力の育成に実践的に適用することである。全自動洗濯機の構造と動作をレゴロゴ教材によってシミュレートし, プログラミングの学習を実施した。学習者の間題解決のための学習活動をデザインするにあたっては, 認知的徒弟制理論を適用した。その結果, 三つのグループは, エキスパートが行うような後ろ向き連鎖のアプローチを完全に習得した。すなわち, そのグループは問題解決のプランニングでも階層的で構造的なプランを立て, 作成したプログラムのツリー構造図は, 構造的で多階層のレベルから構成されていた。しかし,他のグループはノービス(初心者)が用いるような前向き連鎖の直線的なアプローチを行なっていた。