抄録
数学の学習において,問題解決や探究/発見といった高次数学的思考活動,既習事項の復習,技能練習など多種多様な目的で協同学習は利用されてきているが,最近アメリカでは数学の学習において生徒達がコミュニケーションすることが強調され,学習指導における協同学習方略が新たに重要性を帯びてきている(Artzt,1996)という.そこで本稿では,なぜまた改めて協同学習なのか,その理論的根拠を究明するとともに,協同学習を通して子どもたちの高次数学的思考力を促進させる学習指導計画を考案する場合に最重視されるべき事柄について提言する.