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光に関するヤングの干渉縞の取り扱いは,2本の接近した平行なスリットに垂直な断面内の波面の図によって説明されることが多い。丁寧な図においては,山は太い曲線で,谷は細い曲線で示してある。これらの曲線の図を用いて,「同位相のときは強め合い明るい縞模様ができ,逆位相では弱め合って暗くなる」と説明される。この内容に対する学生の理解に関する調査を試みた,その結果,波の重ね合わせに関する学生の理解は多様で,波の重ね合わせについては,経験的,又は直感的なモデルではなく,物理としての,正確な学習による,干渉縞の説明に必要なモデルを形成しておくことが必要であることがわかった。