抄録
これまで筆者等はWeb上での協同学習について実践的研究を重ねてきた。その中では、成果も多くみられたがシステムの課題として、各ノート間のリンクの可視化が十分でないことなどが表出した。これを受け、本研究では知識ネットワーク図付き Web掲示板「NakSun」を開発した。NakSunでは学習者が書き込んだノートを点として表示画面上の任意の座標に学習者が決定し、それをシステムが描画する。この時、関連する各ノートを学習者の意志でリンクしていくことができる。また、討論の過程を振り返る機能を有している。このNakSunを公立中学校の数学科の授業で使用し評価をおこなった。その結果、従来のツリー型掲示板と比べ遜色のない評価が得られた。そして、NakSun による Web 協同学習では従来型の掲示板と比べより大きい知識ネットワークが有意に構成された。一方、知識ネットワーク図上の各ノードは無秩序におかれる傾向にあったが、学習者は問題解決していくことと各ノードの配置とは関係があると認識していることが、授業後の意識調査から明らかになった。