抄録
教員養成学部教員の立場から, 大学における理科教員養成の抱える課題と解決の方向を指摘した。I.小学校教員養成課程においては, 「理科概説」(課程共通)等の内容に問題があり, 「理科概説」は, 小学校理科の内容を大学レベルで吟味する科目とすべきである。II.中学・高校教員養成においては, 教育学部と理学部等は, それぞれの特色を生かすべきである。教育学部では, ①理科教育学等の教職科目の拡充, ②理学部等との交流, ③科学論科目の導入, 等を推進したい。III.専門職大学院の動きがあるが, その姿が不鮮明。理学部, 農学部等卒業者を教育系大学院に受け入れ, 教育学部出身者と並存させる価値は大きいだろう。
