新しい自然科学教育として、生態系(エコシステム)を中心概念とすることにより個別教科的な科学ではなく、総合的なシステム科学としてのエコシステム教育を提案する。現在、地球規模や身近な地域など範囲の大小を問わず、私たちを取り巻く環境の危うさやもろさに不安を抱いている。このような不安を解消するために、健全な生態系の認識とその安定性、さらに栄養塩をはじめとする負荷物質の循環について把握する必要がある。これらを把握するためには、生物と生物が生息している環境の関係をさまざまな角度から総合的に捉える科学教育としてのエコシステム教育が有効である。ケーススタディーとして多様な生態系を構成している斐伊川水系を取り上げ、実践的なプログラム開発について述べる。