抄録
本研究は, 日本の理科におけるジェンダー差の傾向を明らかにすることを目的とした研究のひとつである。本稿では, 中学生の意識調査(杉・吉田, 2001)の調査結果を再考する。はじめに, 主成分分析を用いて, 設問の構成概念の枠組みを検討する。次に主成分分析から明らかになった構成概念の枠組みをもとに, 各構成概念におけるジェンダー差を検討する。分析の結果, 理科への意識や態度に関する調査項目から5つの構成概念の枠組みを明らかにした。さらに, 3つの構成概念においてジェンダー差が明らかになった。