抄録
本研究は中学校地学分野の野外観察の際、識別が困難な段丘堆積物の識別方法を野外観察時の段丘堆積物の組成や形状び色相から簡単に識別する方法について考察する。兵庫県東播磨地区には新生代四紀の浅海性の堆積物(明石累層)と旧加古川水系によってもたらされた高位段丘層、中位段丘層、低位段丘層が分布し、堆積物の組成が酷似しているため教師自身も識別のための明確な指導ができず、貴重な野外観察の時間が無駄になる場合が多かった。そこで、筆者は大阪層群明石累層三木礫層と段丘堆積物の地質学的な研究を通して、中学生にもわかる識別方法を確立し、野外観察時の視点を提案してきた。その概要について報告する。